日本プロ野球界では、長年にわたり“アンチ巨人”を象徴する文化が多く存在してきました。その代表格ともいえるのが「商魂こめて」です。
本記事では、元になった「闘魂こめて」との関係から、侮辱的とされる理由、他球団ファンとの関係性などを丁寧に解説します。
v「商魂こめて」の歌詞は、ファンの間でさまざまなバリエーションが語り継がれ、個性的な読み方や起源に関する諸説が飛び交う点も大きな魅力のひとつでしょう。
ブログの中盤では、なぜこれほどまでに人々を熱狂させるのか、その背景にあるファン心理やSNSでの拡散状況にも触れていきます。ご期待。
項目 |
---|
『商魂込めて』の歌詞フル |
『商魂込めて』の作者は誰? |
『商魂込めて』はひどい内容なのか? |
『商魂込めて』はロッテの応援歌のパクリなのか? |
阪神や中日など、他の11球団での『闘魂込めて』の替え歌について |
巨人ファン以外の方にとっては、『商魂込めて』の存在や歌詞の内容が気になるところでしょう
。一方、巨人ファンの方は、他球団ファンによる替え歌についてどう感じているのでしょうか?今回は、この話題について深く掘り下げていきたいと思います。
「商魂こめて」とは何か?闘魂こめて替え歌?誰が作った?

読売ジャイアンツの球団歌「闘魂こめて」との関係
「商魂こめて(しょうこんこめて)」は、読売ジャイアンツ(以下、巨人)の公式球団歌「闘魂こめて(とうこんこめて)」をベースとした替え歌です。原曲は1963年に巨人の球団創設30周年を記念して制作され、作詞は椿三平(補作詞:西条八十)、作曲は古関裕而が手掛けました。
「闘魂こめて」は、勇壮な旋律と力強い歌詞が特徴で、ジャイアンツの歴史や勝利への意志を称える公式応援歌として長く愛されています。
一方、「商魂こめて」はそのメロディに乗せて作られた“アンチ巨人”を意図するパロディソングです。
歌詞には巨人の資金力や東京ドームの特性、過去の疑惑などを揶揄する表現が含まれ、なかでも「死ね」「くたばれ」などの過激なフレーズがしばしば使われるため、強い批判や賛否を招いています。
近年ではSNSや動画共有サイトなどを通じてその存在が広く知られるようになり、いわゆる“アンチ巨人文化”の象徴の一つとして認識されるケースも増えています。
「商魂こめて」が生まれた背景?誰が作った
巨人は日本プロ野球界で最も人気と資金力のある球団とされ、選手の大型補強やマスメディアによる報道量の多さから、他球団ファンの“敵役”として扱われることが少なくありません。こうした長年の構図が、アンチ巨人感情や“巨人憎し”といった対抗心を生む土壌を育みました。
そこに「闘魂こめて」という知名度抜群の原曲があったことが、替え歌を作りやすい土台となり、やがて「商魂こめて」という形で定着したと考えられています。
特に巨人の「商業主義」的な側面(資金力を駆使した補強、テレビ放映権など)がやゆされる理由の一つとなっています。
「商魂こめて」はなぜ「ひどい」と言われるのか
過激な歌詞とファン文化
「商魂こめて」は、メロディこそ「闘魂こめて」と同じですが、その歌詞内容は「アンチ巨人」をダイレクトに表現したものになっています。具体的には、巨人の補強戦略を“札束攻勢”として揶揄する表現や、東京ドームの“ドームラン”に対する疑惑、あるいは過去の賭博・不祥事を示唆する言い回しなど、攻撃的・侮辱的な言葉が盛り込まれています。
侮辱的とされる理由の多くは、「死ね」「くたばれ」といった直接的な罵倒表現にあります。これは球団や選手だけでなく、巨人ファンを含めて否定的・不快に感じる人が多いため、大きな問題となっています。一方で、日頃のうっぷんを晴らす“過激なエンタメ”として肯定的に見る層もおり、日本独特の野次文化やパロディ文化の一端として許容する意見があるのも事実です。
具体例:歌詞に含まれるフレーズ
「商魂こめて」の1番として広く知られている例では、以下のようなフレーズが引用されることがあります(あくまでも一例であり、実際にはさまざまなバリエーションが存在します)。
商魂こめて 大金で
球は飛ぶ飛ぶ ドームの風で
おおジャイアンツ
八百長プレイで グラウンドを
汚すプレイの恥ずかしさ
ジャイアンツ ジャイアンツ
死ね死ね くたばれ 巨人軍
「大金」は「あおがね」や「おおがね」と読まれる場合もあり、語呂を合わせるために意図的な読み方を採用しているケースも見られます。このように歌詞の内容自体がかなり直接的かつ過激であることから、「下品」「子供に聞かせたくない」などの声が挙がり、球団側が注意喚起をせざるを得ない状況にもつながっています。
球団やファンからの反応
こうした侮辱的な内容を含むため、阪神タイガースや中日ドラゴンズなどの一部球団では、2023年以降に公式サイトや球場放送を通じて「侮辱的な替え歌を控えてほしい」という呼びかけが行われました。特に子供や家族連れが増えている近年のプロ野球観戦において、教育的観点からも否定的な意見が強まったことが背景にあります。
ただ、ファンの間では「長年の伝統として続いてきた」「あくまでジョークの範囲」という擁護意見も根強く、球団が公式に呼びかけても完全に収束していないのが現状です。SNSを見ると、「球団が注意してもやめるつもりはない」「歌いたい人は歌う」という投稿が多く、スタジアムでは今なお合唱される場面が少なくありません。
「商魂こめて」の歌詞2番や3番フルや読み方

歌詞1番から3番のバリエーションのフル
「商魂こめて」にはいわゆる“公式版”はありません。ファンが歌う際、地域やコミュニティによって微妙に歌詞が異なるケースが多々あります。1番だけでなく2番、3番まで存在するという話もありますが、すべてが統一されているわけではなく、「ここはもっと過激な表現にする」「この部分はマイルドにする」といったアレンジが随時加えられているのです。
そのため、「〇番の歌詞をフルで知りたい」という質問に対しては、複数のバージョンを提示せざるを得ません。一例を挙げると、2番・3番は以下のようなものとされることもあります(あくまで一部ファンが歌っている例です)。
商魂こめて 大金で
球は飛ぶ飛ぶ ドームの風で
おおジャイアンツ
八百長プレイで グラウンドを
汚すプレイの恥ずかしさ
ジャイアンツ ジャイアンツ
死ね死ね くたばれ 巨人軍
しかし、これらも決して“一枚岩”ではなく、新たな場面や出来事(FA移籍や補強スキャンダルなど)が起こるたびに歌詞を付け加えたり変えたりする風潮があり、常に“進化”している点が特徴的です。
「大金」は「おおがね」?特徴的な発音
「商魂こめて」関連でよく話題になるのが、「大金(だいきん)」ではなく「おおがね」と読む表記です。これは、原曲「闘魂こめて」のリズムや音数に合わせるため、故意に読みを変えているとされています。こうしたこだわりや妙な語呂の良さが、ファンの間で“耳に残りやすい”要素にもなっています。
一方で、この発音は“歌詞に載せるためのこじつけ”と揶揄されることもあり、巨人ファンからすると「まったく意味が通じない」と批判的な声も上がります。
いずれにしても、こうした細かな文言の“パロディ精神”そのものが、「商魂こめて」の魅力でもあり、批判の種でもあると言えます。
SNSで拡散する異なる歌詞
近年はTwitter(現:X)やYouTubeをはじめとしたSNSで、「商魂こめて」に関連する動画や歌詞が多数シェアされています。試合中のビジター応援席の様子が動画に収められ、それが拡散されることで別バージョンが急速に全国へ広まるケースも珍しくありません。
特に、2023年や2024年以降の巨人のチーム状況やスキャンダルを元にした新歌詞が投稿され、その都度「こんなバージョンもあるんだ」とファン同士で盛り上がる現象が起きています。
こうした“デジタル時代の口承文化”としての側面が、「商魂こめて」の寿命を延ばしているとも考えられています。
「商魂こめて」誰が作ったの?発祥にまつわる諸説や阪神ファン・中日ファンとの関係
有力説:千葉ロッテマリーンズ応援団説
「商魂こめて」は、千葉ロッテマリーンズの応援団が発祥ではないか、という説がしばしば語られます。ロッテの応援スタイルを巨人が取り入れた(いわゆる“パクリ”)と感じたロッテファンが反発し、替え歌を作ったというのがその筋書きです。実際、スタンドで「ロッテのパクリ」とコールする動画や証言が残っているため、この説が広まったと言われています。
ただし、これもあくまで有力“説”であって、正式な証拠や文献があるわけではありません。ロッテ以外の球団ファンが自然発生的に作った可能性も否定できず、真相ははっきりしていません。
自然発生説とファンの創造力
もう一つの見方としては、特定の個人や団体が作ったのではなく、“アンチ巨人”という共通認識を持つファンコミュニティのあちこちで自然発生的に生まれた可能性があります。球場のスタンドや居酒屋、SNSなどで少しずつフレーズが追加・修正され、結果的に現在のような“定番スタイル”が確立された、という流れです。
ファン文化はしばしば口承的な広がり方をするため、誰が最初の作者だったかが曖昧になることが多々あります。「商魂こめて」もその一例と言え、特定の“公式”や“第一作”を探すのは難しいかもしれません。
阪神ファンにとっての「商魂こめて」
阪神タイガースと巨人の対戦は「伝統の一戦」と呼ばれ、日本プロ野球界でも特に熱いライバル関係を築いてきました。阪神ファンのなかには、巨人に対する強烈な対抗心を持つ人が多く、「商魂こめて」を積極的に歌う文化が根強く存在します。
甲子園球場で巨人戦が行われる際には、ビジター席まで届くほどの大合唱が繰り広げられるケースもあり、球場全体が一瞬“殺気立つ”ような雰囲気になることすらあります。
ただし、近年は球団が「侮辱的な替え歌は控えてほしい」と公式に呼びかけるようになり、応援団をはじめとするファン側との温度差が浮き彫りになっています。
一部では「歌わないと阪神ファンじゃない」と過激な声がある一方、「さすがにやりすぎでは」という抑制派の声も上がっており、ファンコミュニティ内でも賛否が分かれていま
中日ファンの「ガチ」な歌唱スタイル
中日ドラゴンズもまた、巨人に対して長年ライバル意識を燃やしてきた球団です。とりわけ、親会社が新聞社同士(読売新聞と中日新聞)という構図もあって、メディア面での対抗心がファン心理に投影される場合もあるようです。
名古屋・バンテリンドーム(旧ナゴヤドーム)ではもちろんのこと、東京ドームでのビジターゲームでも中日ファンが「商魂こめて」をガチで歌う姿がたびたび目撃されます。
阪神ファンほど“熱狂的な野次文化”をイメージされない中日ファンですが、対巨人戦になると「静かに燃える闘志」をむき出しにして歌い上げるケースがあり、そのギャップが話題になることもしばしばです。
2023年以降の自粛要請とファンの反応
阪神、中日ともに、2023年以降は球団や応援団が「侮辱的な表現は控えてほしい」という主旨の呼びかけを行っています。特にスタジアム内で「死ね」「くたばれ」といったフレーズが頻発することは、他の一般客や家族連れにとって不快感を与える恐れがあるためです。
それでもなお、「商魂こめて」をやめたくないファンは多く、SNSやYouTubeでは「自粛要請を無視して歌い続けている」様子が投稿されています。
一方、「子どもも球場にいるのだから自重するべき」という意見も増え始めており、ファン文化の在り方をめぐる議論が続いています。
「商魂こめて」はどう広まった?最新動向
プロ野球、巨人vs阪神戦で、一部の阪神ファンが巨人軍の歌、闘魂こめての替え歌で「商魂」「八百長プレー」「くたばれ」など侮辱的な歌詞で大合唱。
— Mi2 (@mi2_yes) April 10, 2024
観戦マナーも何もないのか?ブーイングは良しとしても「しねしね」は絶対ダメだよな。自分が言われて嫌なことは言っちゃダメ。 pic.twitter.com/27VsJHfPtq
2011年のオールスターゲームと拡散
「商魂こめて」が一気に全国区で話題となった一因として、2011年のオールスターゲーム時のエピソードが挙げられます。当時、セ・パ両リーグのスター選手が集まる華やかな舞台で、巨人ファン以外の観客が一体となって「商魂こめて」を合唱する姿が目撃され、メディアやSNS上で「アンチ巨人連合だ」「こんなに大勢が歌うんだ」と大きく取り上げられました。
この出来事をきっかけに、YouTubeなどの動画サイトにアップロードされる「商魂こめて」関連の映像が急増し、ビジター席での合唱がより一層盛り上がるようになったと言われています。イベント性の高いオールスターゲームという場で“アンチ感情”が表出したことが、多くのファンの興味を引いたようです。
YouTubeやSNSでのバイラル
オールスターゲーム以降、YouTubeやTwitter(現:X)などのSNSを通じて「商魂こめて」の存在がさらに拡散していきました。球場で実際に歌われている様子を撮影した動画が多数アップロードされ、コメント欄で「自分の地域ではこう歌っている」「こっちのバージョンの方が面白い」といった意見交換が行われるうちに、替え歌のバリエーションも増大。その過程で歌詞がマイナーアップデートされ続け、ますます攻撃的・過激になった部分もあるといわれています。
また、SNS上では新たな歌詞アイデアや、巨人の補強状況に応じたリアルタイムな改変を提案するユーザーも見受けられます。2023年や2024年のオフシーズンに巨人が大型FA選手を獲得したタイミングなどでは、すぐさま新歌詞が作られ、あっという間に拡散されるケースがあり、“デジタル時代の盛り上がり”を象徴する一面とも言えます。
デジタル時代のファン文化
近年、観戦スタイルは地上波のテレビ中継だけでなく、ネット配信サービスやSNSを介して“ながら観戦”する人が増えています。そのため、球場以外でも“疑似的に”応援を共有し合う文化が生まれており、「商魂こめて」のような替え歌やパロディソングは、より広くかつ素早く伝播しやすくなっています。
一方で、動画や投稿がいつまでもネット上に残りやすく、批判の声も蓄積されるというデメリットも存在します。実際、ネット上で「商魂こめて」に対する批判が高まると、球団が再度自粛を呼びかける流れが繰り返される状況も見られます。デジタル時代においては、ファン文化を保護・存続させる意義と、社会規範とのバランスをどう取るかが大きな課題になっていると言えます。
まとめ:【商魂こめてとは意味】歌詞フル!ひどい?いつから?禁止?阪神・中日ガチ!11球団闘魂こめて替え歌
ここまで「商魂こめて」の起源や歌詞、そして各球団ファンとの関係性についてご紹介しました。
巨人を揶揄する過激さゆえに大きな批判もありますが、その一方でファン同士の連帯やエンターテインメント性を高める面も見逃せません。
応援スタイルが多様化する中、このパロディ応援歌は日本プロ野球ならではの文化といえるでしょう。
マナー向上の声は年々強まっていますが、歌い手と周囲の意識次第で今後の存続や在り方は変わっていくはずです。この替え歌が受け継がれるかどうかは、時代の要請とファンの意識によって左右されるでしょう。今後のプロ野球文化の行方を見守り。
コメント
コメント一覧 (1件)
自分はV9戦士が歌っている闘魂込めてがすきです 格調があって