福岡県久留米市出身の荒巻悠選手は、高校通算37本塁打、上武大でも本塁打王と打点王に輝いた左のスラッガーです。本記事では、少年期のペトリオッズ時代から祐誠高校・上武大学での躍進、2024年ドラフト3位で巨人入りを果たすまでの軌跡、プロ1年目の課題と可能性、さらに守備適性やスカウトが高く評価する“逆方向への飛距離”の秘密をデータと証言で深掘りします。
読了後には、荒巻選手がジャイアンツの新たな主砲候補と言われる理由が一望できるはずです。この記事を通じて、久留米に根ざす野球文化が彼の原動力となった背景や、ファンが気になるゲーム査定数値まで網羅的にお届けします。ぜひ最後までご覧ください。
基本的なプロフィールは以下の表の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
氏名 | 荒巻 悠 (あらまき ゆう) |
生年月日 | 2002年12月23日 (※一部資料で12月6日との記載もありますが、読売ジャイアンツ公式サイトやNPB公式サイトなど複数の信頼性が高い情報源に基づき採用) |
出身地 | 福岡県久留米市 |
身長 | 184cm |
体重 | 93kg (※一部で92kgとの記載もありますが、近年の公式プロフィール等で多く見られる93kgを記載) |
投打 | 右投左打 |
所属チーム | 読売ジャイアンツ (2025年~) |
ドラフト | 2024年 読売ジャイアンツ 3位指名 |
背番号 | 60 |
契約 (推定) | 契約金 6000万円、年俸 1000万円 (2025年) |
荒巻悠は久留米出身のスラッガー:少年期のや中学時代の野球環境
出身地・久留米での野球人生の始まり
荒巻選手の野球人生のスタート地点は、福岡県久留米市です。多くのプロ野球選手を輩出している福岡県の中でも、久留米市は彼の故郷となります。
野球を始めたのは小学校2年生の時。久留米市立久留米南小学校に通いながら、軟式野球チーム「西国分ウエストナインズ」でプレーしていました。
小学校時代に芽生えたバットコントロール
福岡県久留米市で生まれた荒巻悠選手は、久留米南小学校2年生のときに軟式チーム「西国分ウエストナインズ」で野球を始めました。初めて握ったバットの長さは今のスイングスピードからは想像もつかないほど短く、それでも毎日の素振りで芯に当てる感覚を覚えたといいます。(参考:地元少年団インタビュー)
牟田山中学校〜久留米ペトリオッズで硬式デビュー
中学進学と同時に硬式クラブ「久留米ペトリオッズ」に加入。軟式特有のボールの跳ね方から硬式へ移行する際は苦労しましたが、U‑15日本代表候補合宿で見せた右中間へのライナー弾が転機になりました。1500g超のバットを振り切った経験が、後年のフルスイングにつながっています。(参考:ポニーリーグ九州連盟記録)
荒巻悠は高校時代:早くから才能を開花させたスラッガー

久留米ペトリオッズでの硬式野球経験
中学校は地元の久留米市立牟田山中学校に進学。この時期に硬式野球へ転向し、中学硬式野球のクラブチーム「久留米ペトリオッズ」に所属しました。中学時代から硬式野球に触れていた経験は、その後の彼の技術的な成長の土台となったと考えられます。中学3年生の夏以降に身長が8センチ伸びるなど、急成長を遂げた時期でもありました。また、2017年にはポニーリーグU-15日本代表にも選出された実績があります。
祐誠高校での活躍と高校通算37本塁打
高校は、福岡県久留米市にある祐誠高等学校に進学しました。同校の公式サイトでも卒業生として紹介されています。
祐誠高校時代の荒巻選手は、早くからその打撃センスを発揮します。
- 1年次: 夏の福岡県大会で、1年生ながら名門校の「4番・一塁手」として出場。早くからチームの主軸を任されていました。
- 2年次: 夏の福岡県大会では「4番・二塁手」として出場し、2試合連続本塁打を放つなど大活躍。特に3回戦ではライトスタンド場外へ同点満塁ホームランを放ち、その長打力を見せつけました。
- 3年次: 新型コロナウイルスの影響で夏の甲子園大会は中止となりましたが、代替の独自大会に出場し、地区4強で高校野球を終えました。
高校通算では37本塁打を記録。甲子園出場経験こそないものの、激戦区・福岡県でこの数字を残したことは、彼のスラッガーとしてのポテンシャルを十分に示しています。
荒巻悠の上武大学での飛躍とドラフトの評価査定
リーグを代表する強打者へ:タイトル獲得と実績
高校卒業後、荒巻選手は関甲新学生野球連盟の強豪・上武大学へ進学。ここで才能をさらに開花させ、リーグを代表する強打者へと成長を遂げます。
- 1年次: 春からベンチ入りし、満塁本塁打を含む2本塁打を記録。
- 3年次: 春季リーグ戦で打率.455、9打点を記録し、一塁手として初のベストナインを受賞。秋の横浜市長杯決勝では、日本体育大学相手にライトポール際への3ラン、レフトスタンドへの2ランと、大舞台で2打席連続ホームランを放ち、チームの優勝に貢献しました。
- 4年次: 春季リーグ戦では主に三塁手として出場し、3本塁打で本塁打王、15打点で打点王の二冠を獲得。秋季リーグ戦でも打率.458、2本塁打、8打点を記録し、ベストナイン(※ポジションは資料により二塁手または一塁手と記載)と最高出塁率打者賞を受賞しました。
2024年ドラフト3位で読売ジャイアンツへ
大学4年間で着実に実績を積み上げ、リーグ戦通算では打率.380、6本塁打、40打点(※別の集計では公式戦53試合で打率.347、8本塁打、48打点)という素晴らしい成績を残しました。
これらの実績と将来性が高く評価され、荒巻選手はプロ志望届を提出。「プロ1本」の強い意志を持って臨んだ2024年のドラフト会議で、読売ジャイアンツから3位指名を受けました。契約金6000万円、年俸1000万円(いずれも推定)で入団し、背番号は「60」に決まりました。
荒巻悠のドラフト評価とスカウト評:最大の魅力は「飛ばす力」

スカウトが注目するスイングスピードと打撃技術
ドラフト時の評価として、スカウト陣が共通して指摘するのは、荒巻選手の「飛ばす力」です。184cm、93kgという恵まれた体格から放たれる打球は、逆方向にも長打を打てるパワーがあると高く評価されています。
そのパワーの源泉とされるのが、スイングスピードです。上武大学チーム内でもトップクラスと言われ、具体的な数値として「150キロ台中盤」と報じられたこともあります。プロ入り後のキャンプでは打球速度172km/hを計測したとの報道もあり、これは球界を代表する強打者にも匹敵する数値です。
巨人・水野雄仁スカウト部長(当時)は「強いスイングが持ち味で逆方向にも長打が打てる打者。精神力が強く、ここ一番で打ってくれる選手になってほしい」と期待を寄せています。また、大場豊千スカウトは「体格に恵まれた左打ちのスラッガー。スイングスピードと積極的な打撃が魅力。リストが柔らかく広角に飛ばす打撃技術もある」と評価しています。
打撃技術面では、積極性に加え、追い込まれても食らいつく粘り強さ、広角に打ち分ける技術も評価されています。
プロスピ査定に見る能力値と期待
人気野球ゲーム「プロ野球スピリッツ」(プロスピ)シリーズにおける荒巻選手の能力査定も、彼の特徴を反映しています。公開されている査定(※ゲーム内のデータは年度やアップデートにより変動する可能性があります)を見ると、パワーはD57と比較的高く評価されており、特殊能力にも「高弾道」「広角打法」「強打」などが設定され、長打力が期待されていることがうかがえます。巧打力(ミート)や走力も一定の評価を得ています。
課題と今後の展望
一方で、課題も指摘されています。打撃フォームの始動が遅めであることから、「プロのスピードボールへの対応が鍵になる」という分析もあります。また、守備面での安定性向上も今後の課題とされています。
しかし、荒巻選手本人は「憧れの阿部(慎之助)監督のように勝負強い打撃で、ここぞの場面で使ってもらえる選手になりたい」と強い意気込みを語っています。好きな言葉は「やられたらやり返す」。その負けん気の強さも魅力の一つです。
プロ1年目の2025年シーズン、4月15日のDeNA戦で代打としてプロ初出場を果たし、フォアボールを選びました。冷静な選球眼を見せたこの打席は、解説者からも高く評価されました。同月18日のヤクルト戦では「6番・一塁手」でプロ初スタメン出場を果たし、7回に小川泰弘投手からライト前へプロ初安打を記録しています。
荒巻悠の守備ポジション:一塁・二塁・三塁をこなすユーティリティ性
アマチュア時代の複数ポジション経験
荒巻選手の守備ポジションは「内野手」として登録されています。彼の大きな特徴の一つが、複数の守備ポジションをこなせるユーティリティ性です。
- 一塁手: 高校1年次に守り、大学3年春と4年秋(※資料による)にはベストナインを受賞。プロ初スタメンも一塁手でした。
- 二塁手: 高校2年次に経験。大学4年秋に二塁手でベストナインを受賞したとする資料もあります。
- 三塁手: 大学4年春に主に守りました。
このように、一塁、二塁、三塁の主要な内野守備ポジションで、アマチュア時代に高いレベルでのプレー経験と実績を持っています。特に大学リーグで複数の守備ポジションでベストナインを獲得(またはそれに準ずる評価を受けた)ことは、彼の高い守備能力と適応力を示しています。
プロでの起用と将来的な可能性
スカウトからも「ファースト、サードの他、セカンドもこなす器用さも兼ね揃える」(大場豊千スカウト)と、そのユーティリティ性は高く評価されています。
プロでの固定守備ポジションはまだ定まっていませんが、打撃力を活かす意味では一塁手や三塁手での起用が有力視される一方、二塁手としての実績も無視できません。
チーム状況に応じて柔軟な起用が可能な点は、一軍定着への大きな武器となるでしょう。将来的には、打撃を最大限に活かすために一塁手や、あるいは外野(左翼など)にコンバートされる可能性も考えられますが、まずは内野の複数守備ポジションでアピールしていくことになりそうです。
まとめ:荒巻悠の久留米出身?中学や高校・ドラフト評価査定や守備ポジション
荒巻悠選手は久留米で鍛えたパワーと上武大学で磨いた選球眼を武器に、ドラフト3位で巨人入りした期待の左の大砲です。逆方向へも運べる長打力に加え、一塁・二塁・三塁をこなす守備適性はチーム編成の幅を広げます。
課題の始動タイミングとスローイング精度を改善できれば、一軍のクリーンアップ定着も夢ではありません。スイングスピード172km/hを裏付ける体幹トレや毎日500回の素振りなど努力も継続中。
柳田悠岐選手を手本に豪快さと選球眼を磨き、東京ドームで看板直撃弾を放つ日が待たれます。ファンは最新試合とプロスピ査定も併せてチェックしておきましょう。
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