読売ジャイアンツの不動のスター、坂本勇人選手。
輝かしいキャリアを誇る一方で、「なぜメジャーに挑戦しなかったのか?」「メジャーからの評価はどうだった?」「実は阪神ファンだったって本当?」といった疑問の声も多く聞かれます。特に、長年のライバルである阪神タイガースとの関係性は、多くの野球ファンの関心事でしょう。
この記事では、坂本選手本人の言葉や過去の報道、MLBスカウトの評価などを基に、これらの疑問の核心に迫り、その理由と真相を詳しく解説していきます。
項目 | 詳細 |
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名前 | 坂本 勇人(さかもと はやと) |
生年月日 | 1988年12月14日(35歳) |
出身地 | 兵庫県伊丹市 |
国籍 | 日本 |
身長/体重 | 186 cm / 86 kg |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 遊撃手、三塁手 |
プロ入り | 2006年 高校生ドラフト1巡目 |
初出場 | 2007年7月12日 |
所属チーム | 読売ジャイアンツ(#6) |
年俸 | 6億円(2024年) |
坂本勇人 メジャー行かない理由?
読売ジャイアンツのスター選手、坂本勇人選手が、なぜメジャーリーグ(MLB)への挑戦を選択しなかったのか、その背景には複数の要因が重なっています。
本人が語る「自信のなさ」と「後悔」
最も大きな理由の一つとして、坂本選手自身がメジャー挑戦への「自信のなさ」を公言している点が挙げられます。元プロ野球選手・西岡剛氏との対談動画では、「自信がなかったですね。日本でやるのが精一杯、ぐらいの感じで思ってたんで」「(アメリカでのプレーは)全然イメージが湧かなかったです。行く勇気がなかった」と率直に語っています。
さらに、「後悔はあります、多少」「逃げた自分がいたのは確かなんで。逃げたっすね」と、挑戦しなかったことへの悔いと自己分析を口にしています。
特に、憧れの存在であった松井稼頭央選手(元西武ライオンズなど)がメジャーで遊撃手(ショート)から二塁手(セカンド)へコンバートされた経験などが、日本人内野手のMLBでの成功の難しさを意識させ、挑戦を躊躇させた可能性も指摘されています。
彼は「一番トップのレベルのステージでやれるチャンスがあったのに、そこに行かなかったのは、僕の中で逃げだなと思ってる」とも述べており、挑戦しなかったことへの複雑な心境がうかがえます。
「生涯巨人」宣言と大型契約
坂本選手は2019年オフに、読売ジャイアンツと5年総額25億円前後(推定)とも報じられる大型契約を結びました。
最初の3年間は年俸5億円(当時NPB遊撃手史上最高額)で固定、以降は変動制という内容で、契約満了時には35歳になることから、事実上の「生涯巨人」宣言と受け止められました。
契約更改後の会見では「ジャイアンツで(現役生活)最後までプレーしたいという気持ち」を表明。ドラフト指名からスター選手へと育ててくれた球団への忠誠心、主将としての責任感、そしてこの大型契約がもたらす安定した環境と高額な報酬は、不確実性の高いMLB挑戦を現実的な選択肢から遠ざける大きな要因となりました。
日本での成功と環境への満足
NPB(日本プロ野球)で通算2000安打達成、遊撃手として史上初の首位打者獲得、ゴールデングラブ賞複数回受賞、そして東京オリンピックでの金メダル獲得など、坂本選手は日本で輝かしい実績を積み重ねてきました。これらの成功体験と、ファンからの絶大な支持、慣れ親しんだプレー環境への満足感も、あえて厳しい競争や環境の変化が伴うメジャー挑戦を選択しない理由になったと考えられます。
また、自国開催であった東京オリンピックへの出場を強く望んでいたことも、日本残留を後押しした要因の一つです。MLBでプレーする場合、シーズン中の代表招集は難しくなります。
その他の要因:ポジションへのこだわりとタイミング
坂本選手は遊撃手というポジションに強いこだわりを持っています。しかし、MLBでは日本人内野手が遊撃手でレギュラーを獲得するのは難しいとされており、コンバートの可能性も考慮する必要がありました。
加えて、海外FA(フリーエージェント)権を取得したのは2016年ですが、実際に大型契約を結んだのは30代に入ってから。
年齢的な問題や、キャリア後半に見られた怪我(脇腹、膝、腰など)のリスクも、メジャー球団との契約交渉においては不利になる可能性があり、挑戦のタイミングを逸した側面も否定できません。
メジャーからの坂本勇人への評価
坂本選手がMLBに挑戦しなかった一方で、メジャーのスカウトやメディアからは、特に彼の全盛期において高い評価を受けていました。
打撃能力への高評価
スカウトたちは坂本選手の打撃技術、特にコンタクト能力とインコース打ちの巧みさを高く評価していました。
「非常にクレバーな打撃」「インコース攻略は天才的」といった声や、元ヤンキースの松井秀喜氏が「穴がない」と評したという話もあります。
スイングスピードや技術レベルも認められており、2019年のシーズン40本塁打という遊撃手としては驚異的な長打力も注目されました。打率とパワーを兼ね備えた攻撃型遊撃手として、MLBでも貢献できるポテンシャルがあると考えられていました。
守備・走塁・身体能力の評価
プロ入り当初から広い守備範囲と身体能力の高さは注目されており、ダイナミックなプレーでファンを魅了しました。キャリアを通じて守備技術は向上し、ゴールデングラブ賞を複数回受賞。セイバーメトリクスの指標であるUZR(守備範囲などを評価する指標)でも、特に2016年にはリーグの遊撃手でトップクラスの数値を記録しました。
走塁面でもスピードは評価されており、アスリートとしての総合的な能力の高さは、MLBスカウトからも「メジャーの選手に近いタイプ」と評される要因となりました。
マリナーズのGMを務めたジェリー・ディポト氏が「スペシャルな遊撃手になる」と評したり、同球団のミッチ・ハニガー外野手が「パーフェクトプレーヤー」と絶賛したとの報道もあります。米メディアFanGraphsは「NPB最高のショートストップ。MLBスカウトのお気に入り」と紹介し、「日本のデレク・ジーター」と称したこともありました。
MLBでの通用性への懸念と現実的な評価
高い評価の一方で、日本人内野手がMLBで成功することの難しさは常に指摘されていました。
MLB特有の動く速球への対応、異なるグラウンド環境(天然芝など)への適応、よりフィジカルが求められるリーグレベルでのプレーなど、多くの課題があります。
そのため、NPBでの実績がそのままMLBでの成績に直結するわけではなく、成績が低下する可能性も考慮されていました。具体的な予想として「3Aレベルで打率.250、10本塁打程度」という見方もあったようです。
また、キャリア後半になるにつれて、UZRなどの守備指標には低下傾向が見られました。これは遊撃手としての一般的な加齢による変化ですが、MLBの厳しい基準では、守備範囲の縮小はマイナス評価につながる可能性があります。
最終的に2023年シーズン途中から三塁手へコンバートされたことも、この点を裏付けています。
もしメジャー挑戦が実現していた場合、特にキャリア後半では、遊撃手ではなく、三塁手や二塁手、あるいは複数のポジションを守るユーティリティープレイヤーとしての役割が現実的だったかもしれません。
契約形態も、全盛期であれば複数年契約の可能性もありましたが、30代半ば以降ではマイナー契約やインセンティブ(出来高)付きの1年契約などが想定されたでしょう。
坂本勇人は阪神ファンだった?噂の真相

出身地と少年時代の環境
坂本選手の出身は兵庫県伊丹市。ここは阪神タイガースの本拠地・阪神甲子園球場がある兵庫県内に位置し、熱狂的な阪神ファンが多い地域として知られています。彼が少年時代に所属していた野球チームは「昆陽里(こやのさと)タイガース」という名前でした。このチームで、後にMLBで活躍する田中将大投手とバッテリーを組んでいたことは有名です。
過去の発言や報道
複数のメディアやインタビューで、坂本選手が少年時代に阪神ファンであったことを示唆する内容が報じられています。
- 「好きなチームは阪神やった。巨人か阪神か、やったら阪神」と過去に発言したとされる記録。
- 少年時代に八木裕氏、久慈照嘉氏、和田豊氏といった当時の阪神の選手のサイン色紙を大切に持っていたというエピソード。
- チームメイトだった田中将大投手が「勇人はタイガースファンでした」と証言したという情報。
- ドラフト指名時、巨人からの指名に「巨人かよ!」と本音を漏らし、地元関西の阪神への入団を望んでいたことを明かしたという話。
これらの情報から、坂本選手が少年時代に阪神タイガースを応援していた可能性は非常に高いと考えられます。
現在の立場と噂の持続性
ただし、これらの情報は主に少年時代の話であり、プロ入り後の坂本選手は一貫して読売ジャイアンツでプレーし、キャプテンも務め、「生涯巨人」を公言するなど、巨人軍への強い忠誠心を示しています。「阪神ファンですか?」という問いに「昔はね」と笑顔で答えた、という報道もあり、現在はあくまで過去の話として捉えているようです。
それでもなお「阪神ファン説」が根強く残るのは、彼の関西出身という出自と、球界最大のライバル関係である巨人・阪神という構図が生み出す「物語性」によるものでしょう。ライバル球団のファンだった少年が、敵である巨人のスター選手になった、というストーリーは、ファンの興味を引きつけやすいテーマなのかもしれません。
結論として、少年時代に阪神ファンであった可能性は高いものの、プロ野球選手・坂本勇人のアイデンティティは、完全に読売ジャイアンツにあると言えます。
まとめ:坂本勇人 メジャー行かない理由?メジャー 評価?阪神ファン
坂本勇人選手がメジャー挑戦を見送った最大の理由は、本人が語る「自信のなさ」や「挑戦への恐怖」でした。
巨人との大型契約や日本での成功、五輪への想いも残留を後押ししました。MLBスカウトは全盛期の打撃や身体能力を高く評価したものの、日本人内野手の成功の難しさや年齢による守備への懸念も指摘。一方、「阪神ファン説」は、兵庫出身という出自や少年時代の発言・エピソードから信憑性が高いですが、あくまで過去の話。プロ入り後は一貫して巨人への忠誠心を示しており、彼の現在のアイデンティティは巨人軍にあります。
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