読売ジャイアンツの投手、戸郷翔征選手は、現代プロ野球界で目覚ましい活躍を見せる、今最も注目されている選手の一人です。彼の野球人生は、決して順風満帆なエリート街道ではありませんでした。
本記事では、彼の野球人生の原点である高校時代、特に宮崎県選抜での経験、同世代のスター選手が集う「根尾世代」との関係、刺激し合った同級生や同期、そして読売ジャイアンツのエースとして確固たる地位を築いた現在に至るまでの軌跡を深く掘り下げていきます。
戸郷投手は2018年のドラフト会議で6位指名と、決して高い評価ではありませんでしたが、プロ入り後の活躍は目覚ましく、最多奪三振のタイトルを獲得するなど、球界を代表する投手へと成長しました。彼の歩みを通じて、その魅力と強さの秘密に迫ります。」
戸郷翔征の高校時代は聖心ウルスラ学園?
戸郷投手の才能が開花した場所、それは宮崎県延岡市にある聖心ウルスラ学園高等学校でした。
2年夏の甲子園出場とエースとしての覚醒
戸郷投手は高校2年生の夏、第99回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)に出場し、その名を全国に轟かせます。
初戦の早稲田佐賀高校戦では、9回を投げ抜き11奪三振、2失点(自責点1)という圧巻のピッチングで完投勝利でした。
甲子園という大舞台でエースとしての才能を遺憾なく発揮しました。この経験は、彼の大きな自信へと繋がったことでしょう。
3年夏の挫折と宮崎県選抜での輝き
しかし、3年生最後の夏は、宮崎大会準々決勝で日章学園高校に敗れ、2年連続の甲子園出場は叶いませんでした。この悔しさが、彼をさらに強くしたのかもしれません。
甲子園出場は逃したものの、その実力は高く評価され、夏に行われたBFA U-18アジア選手権大会の野球日本代表との壮行試合で、宮崎県選抜の一員としてマウンドに上がります。
この試合で戸郷投手は、根尾昂選手らを擁するU-18日本代表を相手に、リリーフ登板ながら5回1/3を投げ9奪三振と快投。最速145キロ超のストレートと鋭いスライダーで、強打者たちを翻弄しました。このピッチングが、当時まだ監督就任前だった原辰徳氏の目に留まったと言われています。まさに、彼の運命を変えた一戦でした。
全国での成功と地元での敗北、そして選抜チームでの快投という経験は、戸郷投手の精神的な成長を促し、プロで活躍するための礎となったと考えられます。
「根尾世代」としての戸郷翔征?同級生や同期同い年
戸郷投手は2000年度生まれ、いわゆる「根尾世代」と呼ばれる世代の一員です。
2018年ドラフト組「根尾世代」とは?
「根尾世代」とは、主に2018年の高校野球界を席巻し、同年のドラフト会議でプロ入りした選手たちを指します。大阪桐蔭高校の春夏連覇に貢献した根尾昂選手(中日)、藤原恭大選手(ロッテ)、柿木蓮選手(日本ハム)、横川凱選手(巨人)、そして甲子園準優勝投手となった金足農業高校の吉田輝星選手(日本ハム→オリックス)など、スター選手が揃った世代として大きな注目を集めました。
ドラフト6位からの下剋上:世代トップクラスの実績
戸郷投手も2018年のドラフト会議で読売ジャイアンツから6位指名を受け、プロの世界へ飛び込みました。
指名順位こそ根尾選手(1位)、藤原選手(1位)、吉田選手(1位)、小園海斗選手(広島・1位)といった選手たちに及びませんでしたが、プロ入り後の活躍は目覚ましいものがあります。
2022年と2024年には最多奪三振のタイトルを獲得するなど、投手としては「根尾世代」の中でもトップクラスの実績を残しています。
他の高卒同期選手がプロの壁に苦しむ中、比較的早い段階から一軍に定着し、エースへの道を駆け上がった戸郷投手。彼の成功は、ドラフト順位だけが全てではないことを証明しています。
戸郷翔征の根尾同級生一覧ドラフトなど・ライバルとの切磋琢磨で現在は?

戸郷投手の成長には、同級生やライバルの存在も欠かせませんでした。
高校時代のライバルと同級生
聖心ウルスラ学園高校時代には、1年生の夏からベンチ入りしていた実力のある同級生がいたそうです。その存在が「負けたくない」という競争心に火をつけ、戸郷投手の成長を促しました。また、1学年下には制球力のある投手がおり、チーム内での高いレベルでの競争が、彼を投手として磨き上げました。
さらに、戸郷投手の兄は、都城高校時代に現・ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸投手と同級生でした。中学生の頃から山本投手と面識があったという繋がりも、高いレベルを意識する上で刺激になった可能性があります。
プロ野球界の同世代選手たちのドラフト
戸郷投手は2000年4月4日生まれ。プロ野球界には多くの同い年の選手がいます。
戸郷投手と同じ2000年度学年には、スター選手が目白押しです。彼らは高校時代から注目され、プロ入り後も互いに刺激し合いながらキャリアを築いています。
選手名 | チーム | 生年月日 | 学年 | 2018年ドラフト |
---|---|---|---|---|
戸郷 翔征 | 巨人 | 2000年4月4日 | 2000年度 | 6位 |
根尾 昂 | 中日 | 2000年4月19日 | 2000年度 | 1位 |
藤原 恭大 | ロッテ | 2000年5月6日 | 2000年度 | 1位 |
小園 海斗 | 広島 | 2000年6月7日 | 2000年度 | 1位 |
吉田 輝星 | オリックス | 2001年1月16日 | 2000年度 | 1位 (日ハム) |
柿木 蓮 | 日本ハム | 2000年6月25日 | 2000年度 | 5位 |
横川 凱 | 巨人 | 2000年8月30日 | 2000年度 | 4位 |
万波 中正 | 日本ハム | 2000年4月7日 | 2000年度 | 4位 |
三浦 大輝 | 西武 | 2000年4月7日 | 2000年度 | 育成2位 |
※2025年4月時点の情報。所属チーム、選手情報は変更となる場合があります。 ※学年は4月2日~翌年4月1日生まれで区切っています。上記選手は全員2000年度学年です。
これほど多くの才能ある選手たちが同学年にいることは、戸郷投手にとって大きな刺激となっているはずです。彼らとしのぎを削ることが、戸郷投手を更なる高みへと押し上げているのでしょう。
同学年ライバルたちの現在地(2025年シーズン序盤時点)
高校時代から大きな注目を集めた彼らも、プロ入りから数年が経ち、それぞれの道を歩んでいます。以下の表は、主な同学年選手の現在の状況をまとめたものです。
選手名 | チーム | 現在の状況・特記事項 |
---|---|---|
根尾 昂 | 中日 | 高校時代の二刀流から、プロ入り後は内野手、外野手を経て、近年は本格的に投手へ転向。リリーフを中心に一軍での登板機会を増やし、投手としての才能開花が期待される。 |
藤原 恭大 | ロッテ | 俊足強打の外野手として早くから期待され、一軍に定着。走攻守に高いポテンシャルを持ち、チームの中心選手としての活躍が続く。 |
小園 海斗 | 広島 | プロ入り後、比較的早い段階で遊撃手のレギュラーポジションを獲得。安定した守備とシュアな打撃でチームに貢献し、カープ内野陣の要。 |
吉田 輝星 | オリックス | 甲子園での活躍から大きな期待を背負って日本ハムに入団。プロでは苦しむ時期もあったが、2023年オフにトレードでオリックスへ移籍。新天地での再起を図る。 |
万波 中正 | 日本ハム | 持ち前の長打力を開花させ、日本ハムの主力外野手として定着。ホームランを量産するスラッガーとして、パ・リーグを代表する選手へと成長しつつある。 |
横川 凱 | 巨人 | 戸郷投手とはチームメイト。長身から投げ下ろす角度のあるボールを武器に、先発・リリーフとして一軍での経験を積む。 |
※上記は主な選手の状況であり、他の同学年選手も各チームで活躍・研鑽を積んでいます。
彼ら同学年の選手たちが、それぞれのチームでどのような活躍を見せるのか、そして戸郷投手とどのような対決を繰り広げるのか、今後も目が離せません。
まとめ:戸郷翔征の高校時代!根尾世代 一覧ドラフトなど同級生や同期同い年?現在は?
宮崎県の高校球児だった戸郷翔征投手は、聖心ウルスラ学園での経験、宮崎県選抜での快投、そして根尾選手、藤原選手、小園選手らスター揃いの同学年ライバルたちとの競争を経て、読売ジャイアンツのエースへと見事な成長を遂げました。
ドラフト6位という評価を覆し、最多奪三振やノーヒットノーランといった輝かしい実績を積み重ね、チームリーダーとしても欠かせない存在となっています。彼の歩みは、才能だけでなく、弛まぬ努力と強い向上心があったからこそです。
現在、球界を代表する投手となった戸郷投手。その活躍は、ジャイアンツの未来を明るく照らすだけでなく、日本プロ野球界全体の希望でもあります。今後のさらなる飛躍、そして将来的には世界への挑戦も期待される、まさに目が離せない存在です。
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