2021年のドラフト会議で埼玉西武ライオンズから4球団競合の末に1位指名を受けた隅田知一郎投手。長崎県大村市出身の左腕は、波佐見高校時代に左肘の疲労骨折を経験しながらも甲子園で活躍し、西日本工業大学では「大学No.1左腕」として注目を集めました。
その代名詞であるチェンジアップは「国宝級」と評され、多くの打者を翻弄しています。本記事では、高校時代から大学時代、そしてプロ入り後に至る成長の歩みをたどり、彼が持つ圧倒的な投球術やドラフト時の評価を詳しく解説します。怪我からの復活や体重増量の秘話まで、さまざまな角度から隅田投手の魅力に迫ります。
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | 隅田 知一郎 (すみだ ちひろ) |
生年月日 | 1999年8月20日 (25歳) |
身長 | 177cm |
体重 | 81kg |
血液型 | O型 |
出身地 | 長崎県大村市 |
投打 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
所属チーム | 埼玉西武ライオンズ |
プロ入り | 2021年ドラフト1位 |
経歴 | 西大村小(大村クラブ) → 西大村中(軟式) → 波佐見高校 → 西日本工業大学 → 西武 |
年俸 | 9000万円 (2025年推定) |
隅田知一郎のドラフトレポート評価は
– 4球団が競合した才能
2021年のドラフト会議で、西武ライオンズ、広島東洋カープ、読売ジャイアンツ、東京ヤクルトスワローズの4球団から1位指名を受けたのが左投手の隅田知一郎です。
抽選の結果、西武が交渉権を獲得し、契約金1億円プラス出来高5,000万円、年俸1,600万円(推定)で入団が決まりました。
各球団のスカウトは、隅田投手を「即戦力としてローテーション入りが期待できる」「変化球の精度も高く、完成度が高い」と高く評価していました。特に西武は、編成グループディレクターの潮崎哲也氏が「左投手不足のチーム事情を踏まえても、ドラフト1位で狙うべき選手だった」と語り、獲得に向けて全力を注いだといいます。
即戦力左腕への期待
ドラフト前から「大学No.1左腕」と称されていた隅田投手は、最速150km/hのストレートに加え、スライダーやチェンジアップなど多彩な変化球を高いレベルで操る点が魅力でした。
中日の米村明アマスカウトチーフは「先発ローテーションに即入ってくるだけの力がある」と評価し、広島の苑田聡彦スカウト統括部長も「安定感がある投手は貴重」と強調していました。
また、大学選手権での8回14奪三振という圧巻の投球が各球団の決め手になったとも報じられています。打者の手元で伸びるストレートだけでなく、チェンジアップなどの落ちる球でも三振を量産する姿は、多くのスカウトが「プロでも通用する」と判断するに十分な材料でした。
隅田知一郎の高校時代 – 感謝を胸に成長した日々

隅田投手は長崎県大村市出身で、県立波佐見高校に進学しました。入学時は体重47kgほどで、細身ながら俊敏な動きが目立つ選手だったといわれています。
恩師・得永監督との出会い
波佐見高校の得永健監督は、隅田投手に「感謝無敵(かんしゃむてき)」という言葉を伝えました。この言葉は「常に周囲への感謝の心を忘れなければ、どんな困難にも打ち勝てる」という意味で、隅田投手自身も高校3年間を通じて大切にしていたといいます。
また、得永監督からは「体重を増やさなければ先へ進めない」という厳しい指導を受け、隅田投手はトレーニングや食事を徹底することで約8kgの増量に成功しました。
左肘の疲労骨折とリハビリ
2年生の秋に左肘を疲労骨折し、約7ヶ月半のリハビリ生活を送ったことが大きな転機になりました。周囲が練習や試合を続ける中、思うように投げられない日々が続きましたが、「最後の夏にもう一度マウンドへ立ちたい」「怪我前よりも強くなりたい」という強い意志を持ってトレーニングに取り組んだといいます。
この時期、上半身だけでなく下半身や体幹の強化にも注力し、復帰後は球速・球威が増す結果につながりました。得永監督も「こんな急成長を見たことがない」と驚くほどの伸びを示したそうです。
甲子園出場と粘投
3年夏には長崎大会で優勝し、甲子園に出場しました。開幕戦の彦根東高校戦では8回まで4失点と粘りながらも、9回裏に追いつかれて降板後、チームはサヨナラ負けを喫しました。
結果としては苦い経験でしたが、当時の最速は143km/hを記録し、多くのスカウトの目に留まるきっかけにもなっています。
甲子園での悔しさや怪我からの復帰経験が、次のステージである大学野球、ひいてはプロ入り後の礎になったといえるでしょう。
隅田知一郎の大学時代 – 「大学No.1左腕」への進化
高校卒業後は西日本工業大学に進学し、武田啓監督の下でさらに大きく飛躍しました。大学では九州地区大学野球連盟に所属し、全国的にはやや注目度が低い環境でしたが、隅田投手は着実に力をつけていきます。
武田監督からの高評価
武田監督は「周りに左右されず、自分を持っている男」と隅田投手を評価し、練習環境の整備やメンタル面のサポートに力を注ぎました。隅田投手自身も「環境がどうあれ、自分次第で成長できる」と考え、一心不乱に取り組んだといいます。
大学選手権でのインパクト
大学時代のハイライトといわれるのが、上武大学との試合での8回14奪三振です。最終的にチームは0-1で敗れたものの、「全国クラスの打者を相手に三振の山を築いた」ことで、一気にスカウトの注目度が高まりました。
この試合では、最速150km/hのストレートだけでなく、スライダーやフォーク、チェンジアップ、さらにはツーシームも駆使して相手打線を封じ込めました。特に打者のタイミングを外すチェンジアップが、プロ球団から「即戦力」として評価される一因になったといわれています。
コロナ禍での新球習得
大学時代の中盤、コロナ禍の影響で練習自粛期間が生まれた際、隅田投手は自主トレを綿密に計画し、ツーシームやチェンジアップをさらに磨き上げました。実戦から離れた期間を逆手に取り、フォームの微調整やリリースポイントの安定化に努めたことが後のプロ入りにつながる大きな財産になったといわれています。
隅田知一郎の武器・チェンジアップの評価
隅田投手といえば、決め球のチェンジアップが代名詞といわれるほど有名です。大学時代から「急激に失速し、打者が差し込まれる」と評判で、プロ入り後もその威力は衰えないどころか、さらなる進化を遂げています。
データで見る驚異の空振り率
2024年シーズンのチェンジアップ被打率は.171を記録し、奪三振率は21.21%に達しました。
また、SNSや専門家の分析によれば、空振り率が30%を超える試合もあり、「チェンジアップが決まれば打者は手も足も出ない」とまでいわれています。ストレートとの球速差や腕の振りの見えにくさが大きな要因で、解説者の間でも「国宝級」と称されることが少なくありません。
習得の経緯と本人のコメント
コロナ禍での自主トレ期間に徹底的にチェンジアップの握りとフォームを研究し、自分に合ったリリースポイントを探し当てたといいます。本人は「ストレートと同じ腕の振りができるようになってから、より空振りが増えた」と語っており、このボールこそが大学時代からの成長を象徴する存在です。
プロ2年目の2023年にはチェンジアップがほぼ完成形となり、三振を奪う回数が飛躍的に増加しました。左右の打者を問わず決め球として使える点が、隅田投手の強みといえるでしょう。
まとめ:隅田知一郎の評価とドラフトレポート?高校時代や大学時代・チェンジアップ!
隅田知一郎投手は、高校時代の疲労骨折や甲子園の悔しいサヨナラ負けをバネに成長を遂げ、西日本工業大学では最速150km/hのストレートと多彩な変化球を身につけました。2021年のドラフトでは4球団競合の末、西武ライオンズへ入団。プロ入り後は先発ローテーションを担う一角として活躍し、特にチェンジアップの被打率.171、奪三振率21.21%(2024年シーズン)という圧倒的な数字が示すとおり、打者を翻弄しています。
高校時代から受け継ぐ「感謝無敵」の精神や独自のオールドスタイルも含め、さらなる飛躍が期待される左腕です。彼の今後の活躍から目が離せません。
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