2019年2月10日の紅白戦では世界の小林が緊急来日しました。緊急来日ではなくて長期滞在をしてほしいのですが。しかしそれは打撃だけの話。小林は強肩なだけではなく投手の心理状態やコンディションを意識した「魔法の声がけ」を行っていて、声かけは常に世界レベル。その原点を探ってみます。
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小林誠司とは?
右が小林誠司。目尻のシワで性格の良さがわかります。
森福が小林を弄ると嫌な気分になり、石川慎吾が小林を弄ると微笑ましくなる pic.twitter.com/bNYYjvHhEt
— ヨシラバー🐰Yoshilover.com (@yoshilover6760) February 9, 2019
出身地 大阪府堺市南区
生年月日 1989年6月7日
身長体重 178 cm 83 kg
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2013年 ドラフト1位
初出場 2014年3月28日
年俸 6,000万円(2019年)
経歴 広陵高等学校→同志社大学→日本生命→読売ジャイアンツ (2014 – )
WBCで絶賛された声掛け
WBC2017のオーストラリア戦で、マウンドに上った岡田俊哉はパニック状態に陥ってしまいますが、小林が岡田にかけた声かけをキャッチャー界のレジェンドが絶賛。
岡田は緊張のせいか制球が定まらず、ストレートのフォアボールで満塁にしたうえ、次のバッターにも2球連続でボールというピンチを招いてしまったんだね。そのとき、小林がマウンドに向かったんですよ。「一番自信のある球をど真ん中に投げよう」放心状態の岡田に対して、そんなふうに声を掛けたそうですが、そのタイミングが実によかった。(2017年03月24日 野村克也)
谷繁さんは本でもこのエピソードを使う。
マウンドでは、思い切って投げてこい」と伝えたそうですが、その直後、岡田はバッターをセカンドゴロに打ち取りダブルプレーでピンチを切り抜けることができました。まさに、キャチャーの機転が流れを変えたわけです。これは、試合においてとても大事なキャッチャーの役割です(谷繁流 キャッチャー思考より引用)
声掛けは奥が深い
ピッチャーの性格や精神状態によって声のかけ方を間違えてしまうと逆効果になってしまうという声かけ。谷繁さんもこう語っています。
ピッチャーには、几帳面、大雑把、心配性、楽観的など、様々な性格の持ち主がいます。キャッチャーはよく「女房役」と言われますが、実際には一対一の夫婦関係とは違い、そういった違う性格の旦那がたくさんいる女房を務め上げなければなりません。(谷繁流 キャッチャー思考より引用)
山倉和博氏も。捕手ってそこまで必要なのか。
「正捕手に最も必要なのは信頼です。扇の要としてチーム全体から信頼を得る必要があるが、中でも投手から信頼を得ることは大事です。そのためには日頃のコミュニケーションが不可欠で、特に先輩投手との距離を縮めるために、僕は現役時代、キャンプや遠征先では“部屋廻り”といって、先輩の部屋に入り浸っていました」
原点は高校時代の捕手へのコンバート
広陵高校に入学した当時はピッチャーだった小林ですが、同学年には野村祐輔が存在していました。中井監督から「小林がキャッチャーだ」と未経験だった捕手に指名されますが、引っ込み思案の性格でコニュニケーションが取れずにいました。この苦悩が「魔法の声かけ」の原点。
声出しの練習を行った
引っ込み思案な性格を克服するため、高校時代は広陵グラウンドで延々と声出し練習を行っていました。その声出しは1時間も2時間にも及ぶほど。
「『1アウト!』とか『ゲッツー!』とか『しまっていこうぜ!』とか野球のことだったり、『ありがとうございます!』とか日ごろ大事にしている言葉や挨拶まで、まあ様々な声を大きな声で言っていました。いろんな言葉を、腹の底から大きな声で、いろんなことを考えながら出したんだと思います。(そういう練習を)誠司ほどやった子はいないですね。」
野村祐輔を知るために常に一緒に行動
ピッチャーの事を知るために積極的にコミュニケーションを図りました。野村が投げやすいと思えるキャッチャーになるために、常に行動をともにしました。
中居監督も「お前らいつも一緒で気持ち悪いのう」と言うほどで、ついに野村祐輔も「誠司が一番投げやすいです」と言うほどの関係に。
・寮で食事をする際も野村祐輔の横か前を確保。
・お風呂に入るのも必ず一緒。
・グラウンドでもいつも二人で何かを話し合っていた。
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まとめ
小林はもともとピッチャーだったので投手の心理が把握できているというのもあると思いますが、こういった努力をしてきたんですね。後輩から先輩扱いされないのも、投手が萎縮してしまわないような気遣いかもしれません、
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