知らない人も多い! IT法務(テーマ:請負・準委任・派遣)

管理職やプロジェクトマネジャー、社内SEになると、契約の結び方や仕事のお願いにも契約があり、意識が必要です。同じ部署のメンバーでも、契約内容により、働き方は異なりますし、契約違反になりかねません。

また、受注側も営業がどのような契約をしているのか把握しながら仕事をする必要があります。こちらも、契約違反だと言われる前にあらためて学習しましょう。

ただ、エンジニアとして働く人々はいかに法律と向き合っていけばいいのでしょうか。基本的な知識から学びましょう。

まず、IT業界の実態

IT業界においては、どこの企業もSEの人材不足にあえでいます。そのため、クライアント企業がベンダに対して、「御社のSEを弊社に派遣してくれないか?」と依頼して「業務委託契約」を締結し、ベンダが、クライアント企業にSEを派遣するという「SES契約」が頻繁に利用されています。

大規模なシステム開発であればあるほど、システムエンジニアやプログラマといった人材を自社の社員だけで賄えず、足りない人材を派遣会社に依頼し、要員の増員を進めます。派遣契約や請負契約を結んで人材を確保、体制を作り開発していく手法が一般的です。これは建築業界でもよく見られる下請け・ゼネコンの構造と一緒なのです。

ただ、労働者派遣法は2015年9月30日に改正されました。「専門26業務と自由化業務の区分廃止」「個人単位の派遣期間は最長3年」「事業所単位の派遣受け入れ期間は原則3年」があります。

請負契約

請負契約とは何なのでしょうか?


・仕事を完成することを約束する契約であり、発注者は報酬を支払う契約です。
・成果物にバグがあり、何かしらの問題があった場合は、損害賠償を請求したりできます。(瑕疵担保責任)
・発注側には指揮命令権がありません。


このため発注側には、請負先には業務を依頼できるか、念入りに検討する必要があります。特に体力のない企業に多くの発注をしてしまうと、プロジェクトの失敗につながります。本当に請負契約をしてよいのか、他に発注先がないかと比較も必要になってくるでしょう。

また、受注側も無理難題なプロジェクトを受注してしまうと、疵担保責任により会社が倒産しかねないのです。営業が何でもできますと言いやがっては、まさにあてはまります。

準委任契約

準委任契約とは何なのでしょうか。


・必ずしも、仕事を完成させる責任はありません。たからといって、一般的に期待されるレベルの注意を払うことへの業務が遂行されないと、債務不履行責任を問われる危険性があります。
・発注側には指揮命令権がありません。


それでは、請負契約と準委任契約の違いは何でしょうか。下記に挙げておきます。


・完成責任はない
・瑕疵担保責任はない
・期間の定めがある
・業務の遂行については一般的に委託者への「報告書」をもって行う


労働者派遣契約

その他に派遣契約があります。


労働者派遣契約のは、指揮命令権が発注先にあります。


また法改正により

IT業界では正社員という名の労働者派遣契約で働いている人が本当に多いのです。技術者としては、

3年経過後に直接雇用契約で採用されたり派遣元で無期雇用されたりして、すぐに他の仕事が見つかれば良いのですが、必ずしも自身の希望や条件にマッチした業務に就業できるとは限りません。多くのITエンジニアが職を失う可能性があります。派遣社員として仕事をしているITエンジニアは、最初の契約から3年後には派遣社員として働きたくても、働けない可能性があるのです。

次の契約先によって、求められる能力も変化し、スキル向上することはなく、勧められたものではありません。20代のうちに脱出することをお勧めします。

瑕疵担保責任

それでは、 請負契約で発生する瑕疵担保責任とは何でしょう。発注者は受注者に対して、瑕疵の修補を請求することができます。

例えば、下記のようなものがあります。


・契約解除と代金返還請求
・損害賠償請求
・瑕疵修補請求


特に損害賠償請求はよくあるのでしょうか。裁判になった例もみております。

債務不履行責任

それでは、 準委任で発生する債務不履行責任とは何でしょう。


受注者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、これによって生じた損害の賠償を請求すること


瑕疵担保責任は時効が1年でありますが、債務不履行責任は時効は10年間です。よくSEが難しいスポット案件に出くわした際には、なぜ準委任でないのだと話すこともありますが、どちらにしろ適当な仕事ですと請求される可能性があります。

まとめ

エンジニアは、技術だけ学べばよいと考えている人も多く、法律は難しく勉強したくない人も多いでしょうか。プロジェクトマネージメントだけ学べばよいと考えていますでしょうか。基本的なことはおさえておきましょう。これからは法律と無縁ではいられないというか、法律に関して嗅覚が働くエンジニアは色々と必要になると思うからです。